前回は防水性を高めるため3つ大発明うち1つ、「オイスターケース」について説明しましたが、実は防水戦いはこれで終わったわけではありませんでした。1920年代は手巻き時計時代であり、リューズでゼンマイを巻く必要がありました。つまり、水侵入を防ぐには、ゼンマイを巻いた後にリューズを再びねじ込んで密閉状態にする必要がありました。しかし、ユーザーがそれを忘れてしまい、水が内部に入るという問題が新たに浮上しました。そこで、手で巻き上げる作業を省いた腕時計開発が求められ、ロレックスは1920年代後半に本格的に自動巻き開発に取り組みました。そして、1931年に、半円形ローターを360度回転させてゼンマイを巻き上げる革新的な自動巻き機構を開発し、世界初自動巻き腕時計を発表しました。こ自動巻きムーブメントは、ロレックス・パーペチュアルとして商標登録されました。ちなみに、ローターは、自動巻き時計に使用される扇型部品で、回転錐とも呼ばれます。腕振りにより回転し、ゼンマイが自動的に巻き上がるため、リューズを操作する必要がなく、時計は正確に時を刻み続けることができます。
ロレックス パーペチュアル コピー機構は、360度全回転片方向巻き上げ方式を採用しており、腕わずかな動きでも反応します。これにより、従来自動巻き問題である巻き上げ効率低下を見事に克服し、防水性に対する不安を軽減すると同時に、腕時計実用性を更に高める画期的な発明となりました。なお、防水ケース「OYSTER（オイスター）」と自動巻き機構「PERPETUAL（パーペチュアル）」が採用された時計には、ロレックスブランドロゴと共に「OYSTER PERPETUAL」と記載されます。こ表記は当時から現在まで変わらず継続されています。
